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令和元年第3回市議会定例会の開会にあたり、第22代立川市長としての市政運営に関する私の所信を申し上げ、議員の皆様並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
私は、平成19年9月に立川市長にお選びいただいて以来12年間、議会や市民の皆さんに支えられ、全力で立川の発展に取り組んでまいりました。
また、新しい任期となりますこの4年間は、本市におきましても少子・高齢化、人口減少社会を見据えた極めて重要な時期と考えており、今までに例のない、かじ取りの難しい時代を迎える中で、4期目のスタートにあたり、立川の発展と充実をめざし、市民が安全・安心に、すこやかに暮らせるまち立川を確立するため、全身全霊を込めて職務にあたりたいと決意しております。
緊張感と覚悟を持って臨んでまいりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。
私は、これまでの3期12年の間、特に職員数の削減や市の債務を削減するなど行財政改革に力を入れ、市民サービスの向上に努めてまいりました。
また、長年の懸案だった清掃工場の移転につきましては、本年6月に新清掃工場整備運営事業の基本契約を締結することができました。
さらに、待機児童対策では、保育園の新設、公立保育園の民営化によって定員増を図り、待機児童を概ね解消するとともに、幼児教育・保育の無償化に伴う独自支援策など、子育て支援に力を注いでまいりました。
今回の選挙では、こうした実績が評価されたと考えておりますので、これまでの経験を糧として、さらなる市政の発展をめざしてまいります。
4期目にあたりましては、引き続き第4次長期総合計画に示したまちづくりの将来像、「にぎわいとやすらぎの交流都市立川」の実現に向けて取り組むとともに、中・長期的視点に立った市政運営をすることが、市長として最も重要な責務であると考えております。
人口構造の変化や厳しい財政状況等、行財政運営の大きな転換期を迎える中で、戦略的に施策を展開するため、令和2年度からスタートする第4次長期総合計画・後期基本計画の策定に取り組み、交流都市として立川に大勢の方々が集うことによって、産業を隆盛させ、まちの魅力を高め、それが市の経営の安定につながっていく、その中で行財政改革もしっかりと進める、このような市政運営を行っていきたいと思っております。
私は、この選挙の中で、「新しい立川に全力!!」をキャッチフレーズとして、27の公約を掲げ市民の皆様に訴えてまいりました。
それでは、公約を中心とした4期目4年間の市政の中で取り組む主な項目について、「子ども・学び・文化」、「環境・安全」、「都市基盤・産業」、「福祉・保健」、「行政経営・コミュニティ」という5つの柱ごとに、私の所信を述べさせていただきます。
最初に、「子ども・学び・文化」に関する取組についてであります。
核家族やひとり親世帯の増加、地域での育児の孤立化や児童虐待に対する社会的な関心の高まり、配慮を必要とする子どもの増加などを背景に、相談等の件数は増加しております。引き続き、支援が途切れることのないよう積極的な情報共有を行うとともに、地域や関係機関との連携や配慮を必要とする子どもたちの教育環境の整備等を図り、困難を抱えた子どもや家庭の支援を充実させてまいります。
また、子育て・子育ちの拠点づくりとして、乳幼児と保護者同士の交流の場を提供し、育児に関する相談や情報提供を行うため、児童館などで開設している子育てひろばの充実に取り組んでまいります。
保育園、学童保育所の待機児童解消につきましては、民営化した保育園の建て替えによる定員拡大に取り組むとともに、学童保育所の受け入れ児童数拡大のほか、「児童館ランドセル来館」、「サマー学童保育所」など、子どもの安全・安心な居場所の確保に努めてまいります。
新学校給食共同調理場につきましては、小学校単独調理校8校、中学校9校の児童・生徒・教職員を含め8,500食程度を提供するため、HACCP(ハサップ=衛生管理手法)に対応した管理手法による運営とアレルギー対応食専用室を整備し、より安全・安心な給食が一日でも早く提供できるよう精力的に取り組んでまいります。また、この新学校給食共同調理場は、災害時用の食材の備蓄機能や災害支援物資を提供する二次集積拠点として位置付け、防災力の向上も図ってまいります。
また、今年度末までには計画していた全小中学校の特別教室への空調機設置を完了するとともに、来年夏までに既に設置済みの第一小学校を除く27校と旧多摩川小学校の体育館に空調機を整備してまいります。
スポーツに関しましては、市民の誰もが、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことができるまちを目指して、ライフステージに応じたスポーツ活動と交流・連携による地域スポーツの推進に取り組んでまいります。
2つ目の政策、「環境・安全」に関する取組としましては、まず、新清掃工場整備運営事業について着実に推進し、令和4年度の稼働に向けて取り組んでまいります。
安全・安心につきましては、「立川市自治会等を応援する条例」の基本理念に基づき、自治会等との連携をさらに深め、安全で安心して快適に暮らすことができる地域社会の実現を目指してまいります。
防災対策では、災害による被害を最小限にする「減災」の視点から、地域における共助意識の醸成に努めるとともに、避難所運営組織を通じた市民、地域との連携を確立して防災意識の向上を図ってまいります。
防犯対策では、市・警察・自治会等が連携し、情報を共有化することで、地域防犯力の向上を図り、安全・安心のまちづくりを進めてまいります。
なお、特殊詐欺被害対策につきましては、被害が拡大している状況があるため、特に被害が多い高齢者世帯への自動通話録音機の無償貸与を継続するとともに、広報等による啓発を実施することで被害防止に努めてまいります。
立川駅周辺の環境改善につきましては、引き続き、立川警察署との相互協力を軸にすえながら、地域との連携・協働により、立川駅周辺における安全・安心の取組を推進してまいります。
また、本市は多摩川や玉川上水、残堀川という水辺や、国営昭和記念公園をはじめとした多くの緑という豊かな空間に恵まれており、この水と緑を保全し、快適な生活環境を確保することに努めてまいります。
都市農地に関しましては、都市における農地を保全し、都市農業を支援するための様々な制度が整備されてきており、より多くの農地が保全されるよう、農業経営の安定化や立川農業の魅力発信にも取り組みつつ、関係団体と連携してまいります。
次に、3つ目の政策、「都市基盤・産業」についてであります。
まず、鉄道ネットワークの充実に向けて、JR南武線の鉄道立体化、JR中央線の複々線化及び多摩都市モノレールの延伸の事業化について、関係機関に強く要請してまいります。
また、広域的な都市計画道路の早期整備を引き続き要請するとともに、本市が施行する都市計画道路の整備を推進し、道路ネットワークの構築を目指してまいります。
下水道に関しましては、単独処理区について、下水の高度処理に対応した北多摩二号水再生センターへの流域編入を進めるとともに、豪雨や台風により浸水被害が発生している多摩川上流処理区の雨水対策を進めてまいります。
なお、引き続き、持続可能な都市経営を進めるため、積極的なシティプロモーションを行い、立川の魅力や価値を統一的・戦略的に発信することで、本市への愛着心を醸成するとともに、交流人口の増加を図ってまいります。
さらに、「多摩ビジネスイベンツ重要支援エリア」として、「立川エリア」が指定を受けたことから、立川商工会議所が中心となって行うMICEの受入環境整備の取組を支援し、にぎわいの創出を図ってまいります。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に関しましては、聖火リレーや本市にゆかりのある選手の応援、ベラルーシ共和国の新体操ナショナルチームによる事前キャンプなどに取り組み、未来に向けてのレガシーの創出を図ってまいります。
砂川中央地区のまちづくりに関しましては、「新庁舎周辺地域土地利用計画」に基づく土地利用の実現に向け、土地区画整理事業等をはじめとするまちづくり手法を検討し、適正な土地利用及び利便性向上に向けて取り組んでまいります。
また、立川北部地域における西武拝島線各駅周辺につきましては、人々の活動や交流を図る拠点等の形成に向け、日常生活を支える都市機能の集積を進めてまいります。
立川駅周辺の回遊性確保としては、アメニティ空間の形成を目指して、引き続き「立川駅前歩道立体化計画」の検証に取り組んでまいります。
続いて、4つ目の政策、「福祉・保健」についてであります。
地域福祉の推進につきましては、地域で見守り、支えあい、すべての人がいきいきと暮らせるまちを目指し、6圏域に配置した地域福祉コーディネーターや、民生委員・児童委員、地域包括支援センター、社会福祉協議会をはじめとした関係機関、団体等と連携し、地域のネットワークづくりのさらなる推進と地域住民との協働により、地域課題の解決を図ってまいります。
人生100年時代、健康長寿社会の実現に向けましては、高齢者になっても住み慣れた地域で、その人らしい生活を送ることができるまちを目指して、生きがいと社会参加の推進、介護予防と認知症対策の推進と生活支援に取り組んでまいります。
また、乳幼児、障害児・障害者、高齢者等を在宅でケアしている家族の負担が大きいことから、家族等の地域生活を支援し、安心して暮らし続けることができるよう、レスパイト事業の充実に取り組むとともに、サービス基盤の総合的拡充を図ってまいります。
小学生インフルエンザ予防接種の助成につきましては、集団感染による学級閉鎖等が多く発生しており、重症化を防ぐためには予防接種が有効であること、また小学生以下は2回の接種が必要なことから保護者の負担軽減を図るため実施に向けて検討いたします。
なお、途切れのない安心した子育てを支える拠点として、子ども未来センターに子育て機能を集約することについて、市民の皆さんの声を聞きながら具体的な検討を行ってまいります。
最後に、「行政経営・コミュニティ」についてであります。
少子・高齢化による人口構造の変化や人口減少社会の到来により、財源の安定的確保が困難さを増す一方、社会保障関係経費の増大や都市インフラを含む公共施設の老朽化への対応など、喫緊の課題が山積しており、本市の行財政運営の先行きは予断を許さない状況にあります。
引き続き、限られた資源でより良いサービスを市民の皆さんに提供する費用対効果の考えのもと、経営資源を適正かつ効果的に活用するとともに、官民連携をより一層進め、持続可能な自治体経営を推進してまいります。
また、限られた資源で有効なサービスを提供するためには、民間活力の活用が必要です。より効果的な事業手法として民営化や指定管理者制度など、様々な官民連携手法のさらなる活用に取り組んでまいります。
さらに、窓口サービス業務の向上につきましては、職員がいきいきと働き、社会の変化や多様化する市民ニーズを的確にとらえ、質の高い住民サービスを提供できるよう、職場力の強化と職員力の向上に取り組み、接遇の向上に努めてまいります。
最後に、立川市議会の改革・活性化に対しましては、協力をしてまいりたいと考えております。
以上、今後の市政運営に対する私の公約を中心に所信の一端を述べさせていただきました。
3期12年間にわたり積み上げてまいりました実績を踏まえ、市長として本市の一層の発展のために、全力を傾けて市政の運営にあたりたいと考えております。
重ねて、議会並びに市民の皆様のご理解、ご協力をお願い申し上げ、市長就任の所信表明といたします。
令和元年9月13日
立川市長清水庄平
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