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更新日:2023年11月27日

立川市議会議員政治倫理条例等の改正の経過報告

令和5年10月に、立川市議会議員政治倫理条例を大きく改正しました。この改正をした背景、改正作業の過程、今後に向けた決意等について、市民の皆様に議長からお伝えします。

1 条例改正の背景

平成16年施行の「立川市議会議員政治倫理条例」に基づく調査請求が、令和4年5月に提出されたことを受け、条例施行後初めての審査会を開催し、同年8月に報告書が提出されました。審査会からの報告書と措置の勧告を受け、市議会において措置を決定し、実施しました。

審査会において条例や施行規則を運用する中、現在の条例は、審査対象となる倫理違反行為の範囲が不明確であるほか、審査対象議員の防御の機会や措置の内容、事務手続き等々に関する具体的規定が十分でないことが明らかになりました。そのため、審査会では、条例等の解釈に関する議論を行いつつ、審査手続きを組み立てながら審査を進めなければなりませんでした。会長をはじめとした委員の皆さまのご尽力により、条例の解釈、手続きの組み立ては適切に行われました。

つまり、この条例改正は現条例に不備があったから行われるものではありません。従いまして、そこから導き出された結論も妥当であったと認識しております。条例をより時代にあわせ、実効性を高めるため、議会で合意したものとなるよう、時間をかけて議論する必要があったと考えております。

2 条例検討会議の設置

令和4年8月22日の代表者会議において、木原前議長より、「立川市議会議員政治倫理条例」の見直しについて提案がありました。検討過程を公表する必要があることから、無会派代表を含む代表者会議メンバーで構成する、「立川市議会議員政治倫理条例検討会議」を設置し、専門家のアドバイスを受けつつ、条例等の改正に向けた検討を行うことを決定しました。

3 アドバイザーの委嘱

地方自治法や行政法を専門とし、議会事務局研究会の代表や大津市議会のアドバイザーとしてご活躍されている、立命館大学法学部特任教授の駒林良則氏に政治倫理条例検討会議アドバイザーを委嘱しました。

4 条例検討会議の経過

会派アンケートの実施

検討会議に先だち、現条例等の課題や改正に向けての意見について会派アンケートを実施しました。また、当時の審査会委員の皆さまからもご意見を頂きました。

検討会議

全7回、計22時間に及ぶ協議により、条例等の改正内容を検討しました。各回の協議においては、大変熱心で活発な意見交換が行われました。議員全体に係る重要な条例の改正であり、納得感のある結論を導き出すことに注力したことから、テーマによっては多くの時間を費やすこともありました。

また、一点どうしても意見の一致をみることができなかった件につきましては、採決を行い決定することとなりました。

専門家アドバイス

前に行われた会議での検討状況の報告をするとともに、次回の会議で取り扱う課題に対する考え方等について政治倫理条例検討会議アドバイザーからアドバイスを受けました。

市民意見の聴取

4月21日から7月31日の間、市議会HPで条例改正に関する意見を募集し、5人の方からご意見が寄せられました。主な内容としましては、自浄作用が全くないことが明確になったので期待できない。コンプライアンスに関して、姫路市を参考に議員に対する通報制度や相談窓口を創設すべき。など大変厳しいご指摘を頂いております。これらのご意見に対する議会からの回答は、別途掲載しております。

議員の政治倫理に関するご意見についての市議会の考え方

5 条例改正の概要(主なもの)

前文の新設

政治倫理条例が平成16年に施行されたのち、平成26年4月に立川市議会の基本規範となる「立川市議会基本条例」が施行されたことを踏まえ、その趣旨を実現するために、議員一人ひとりが市民に信頼される存在となることが求められていることを示しました。

また、表現の中には、憲法における地方議会の背景と、地方自治法の改正によって定められた地方議会議員の責務を反映しました。

目的の改正(第1条)

議会基本条例には、議会に関する他の条例等を制定・改廃する際はこの議会基本条例の趣旨を尊重することが定められていることから、政治倫理条例の改正にあたり、この条例の目的は、議会基本条例に規定する議員の活動原則である「自らの資質向上に努め、誠実かつ公正な職務遂行に努める」という趣旨を実現することにある、として明示することとしました。

政治倫理基準の明確化(第3条)

現行条例の政治倫理基準には、漠然とした表現が使われている項目があり、実際の政治倫理審査会でもその解釈のために時間を費やすこととなりました。このことを踏まえ、条文の解釈が困難なく適切に行われるように見直しを行いました。

まず、「議員は、第1条の目的を達成するため、政治倫理基準を遵守すること」を示し、基準違反の有無を判断する際の指標となる文言を設けました。

政治倫理基準の各項目については、違反となる行為がわかりやすいように整理するとともに、平成16年の施行以降の法改正に基づく修正や、社会的な変化を踏まえた項目の追加などを行いました。

議会運営委員会での審査請求適否判断の導入(第11条・第12条)

現行は、趣旨を誤解した審査請求や、悪意を持った審査請求がされた場合でも、形式的に不備がなければ、議長は政治倫理審査会に付託せざるを得ず、適切ではありません。

これを抑制する仕組みとして、提出された審査請求について議長が議会運営委員会に諮問し、議会運営委員会は審査請求が条例に照らして適切であるか否かを判断し、議長に答申する仕組みを導入することにしました。

政治倫理審査会の位置付けの明確化と構成の見直し(第5条)

現行の政治倫理審査会は位置付けが不明確となっています。

アドバイザーから、議会の附属機関として位置づけることも可能であり、他議会での前例もあるとの助言を得たことなどから、本市議会でも附属機関とすることとしました。

議会に附属機関を置く根拠規定として、議会基本条例に新たな条文を加え、政治倫理条例の改正に合わせて改正することとしました。

審査会の構成につきましては、まず、議会運営委員会で審査請求の適否を判断する仕組みを取り入れることから、議員の委員を置かないこととしました。

市民委員を置くかにつきましては、「市民委員を置かず、専門家のみで構成すべき」という意見、「専門家と市民委員を置くべき」という意見が出されました。複数回にわたる協議を重ねた結果、審査会の構成は、「市民2人以内、地方行政に関し優れた識見を有する者3人以内」とすることで一致しました。

条例には示されない部分ではありますが、市民委員の選定方法について、団体推薦のみとするか、公募を残すかについては、議論が平行線をたどり、協議によって結論を出すことができなかったため、採決を用いることとなりました。採決では両案同数となったため、議長において、市民委員は団体推薦のみと決定しました。

審査対象議員の防御の機会の明示(第16条・18条)

現行条例には、審査対象議員に意見を述べる機会を与えることが示されているのみであるため、適切な手続き保障として、文書を閲覧する権利や、補佐人の同席等に関する文言を追加しました。

また、審査結果の報告・通知を受けて審査対象議員から意見書が提出できることや、報告等の公表に合わせてその意見書も公表することについても定めました。

議会が行う措置の明示(第20条)

審査対象議員に政治倫理基準違反があったとされた際、議会が当該議員に対して行う措置について、どのような措置が可能であるか示されていないことから、措置の項目を具体的に示しました。

措置項目については、義務を課すことや権利の制限など、議会の自律権の範囲を超えた違法な措置とならないよう留意して検討を行いました。

事務手続き等の明確化(第10条ほか)

現行条例では、事務的な手続きや会議の進め方、公表のあり方等に関する記載が不足するなどしていたことから、審査請求から審査会への付託、審査、報告、措置、公表の各段階での手続きを明確化し、一連の流れが適正に行われるよう条文を整えるとともに、必要な様式の整備を行いました。

6 逐条解説の整備

改正後の「立川市議会議員政治倫理条例」の条文の意味することや背景にある意図、条文解釈のあり方、具体例の提示など、条文では表現することのできない様々な事項を解説するため、逐条解説を作成し公表しています。逐条解説は、市民や議員にとっては条例の考え方への理解を深める助けとなり、審査会委員や事務局職員にとっては条例を運用する際のガイドとなります。

立川市議会政治倫理審査会(「関係例規と逐条解説」のリンクをご覧ください)

7 総評

政治倫理条例検討会議アドバイザーからは、「ここから始まる。議員本人が意識をここから高めてゆく。立川市議会は、そこを向いているとひとつのステップにしてほしい」とお言葉をいただきました。

また、「この条例の内容は、一番先進的な条例で、今のところトップランナーです。あわせて、議会改革も自己満足ではいけない。執行機関がどれだけ目を向いているかが、はかるものさしだ」とも伺いました。これから各常任委員会を中心にテーマを決めて取り組もうとしている立川市議会とリンクするお話等、多くのアドバイスと激励をいただき、今後に期待をお寄せいただいて終了しました。

8 まとめ

この政治倫理条例の根拠規定である議会基本条例は、改選時の新人議員研修時に、時の議会改革特別委員会委員長が熱を込めて説明するようになっておりますし、2年ごとの検証も全議員で行う仕組みができております。さらに、自浄作用を働かせ、コンプライアンスを意識した議員活動を常に行っていけるようにするため、政治倫理条例に関する議員研修は今後必須であると考えます。

二度と、もう二度と政治倫理審査会を開くことがないよう、議員一人ひとりがもう一度この改正にあたり、襟を正して市民の信頼に応える覚悟で取り組ませていただきたいと思います。

令和5年10月31日 

立川市議会 議長 頭山 太郎

お問い合わせ

議会事務局 庶務調査係

電話番号:042-528-4343

ファックス:042-526-6369

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