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立川市では、市内の基幹病院等とネットワーク協定を締結し、CKD予防のための取組を進めています。
専門家のコラム記事も掲載していますので、ぜひご一読ください。
慢性腎臓病のことで、日本では成人の8人に1人が罹患しているといわれています。近年、慢性の腎疾患は、末期腎不全に至る前の段階でも高率に心血管系疾患を合併し、時にはそれが致命的となるリスクを有する病態であることが明らかとなりました。そこで、単に腎臓の病気としてではなく、心血管系疾患への関連を有する全身性の疾患として「CKD(chronic kidney disease)」が、2002年に米国腎臓財団から、かかりつけ医の先生方や患者、市民の方々にも容易に理解できる概念として定着することを目指して提唱されました。
このようにCKDは、従来の腎臓病の疾患名体系と異なり、CKDを早期に発見し、評価し、必要があれば適正に介入することにより、心血管系疾患の発症や末期腎不全への移行の抑制を目指した疾患概念です。
市内の基幹病院(災害医療センター、立川病院、立川相互病院)、立川市医師会、立川市薬剤師会、立川市で構成するネットワークです。相互連携や啓発事業など各団体が適切で効果的な取組を企画、実施し、CKDによる腎障害、末期腎不全(人工透析)を抑制することを目指します。
CKDは薬の種類・量が原因で病状悪化や副作用が発現することが多い疾患であるため、必要に応じて、かかりつけ薬局等でおくすり手帳に腎機能を示すシールを貼り、適正受診・調剤につなげます。腎機能は健診の結果値や医療機関受診時の検査結果値により評価します。
CKDや関連する情報について、立川市の広報等を通じて市民のみなさまへお知らせしていきます。
検診を受ける機会がある方は、ぜひ尿検査を受けてください。尿検査では様々なことがわかります。ここではなぜ尿検査が有効かをお伝えします。
腎臓では、「糸球体」という構造から「尿細管」を通り尿がつくられます。これを「ネフロン構造」といいます。糸球体は必要なものを血液中に残し、不必要なものを尿に出します。これは「ザルでお米を洗う際、必要な米を残し、いらない水分やごみを流す」と例えられます。糸球体に障害が起こるということは、網目が壊れるということです。これにより本来漏れないお米がポロポロ漏れる、つまり本来出ない赤血球や蛋白が、尿に漏れ出てきます。これがいわゆる「尿蛋白」や「尿潜血」であり、網目が炎症を起こした状態です。尿検査に異常のあるこの状態が「腎臓病」の状態です。炎症がひどくなると、ザルの網目が詰まる、つまり外に出すべき水分や老廃物が血液中に留まります。
尿検査での異常をきっかけに、腎臓に対処し診断や治療ができれば、腎臓病の進展を防ぎ、遅らせられる可能性があります。尿は腎臓の健康状態を示す大切なサインなのです。採血と違い尿検査は針で刺されることはなく、痛くない検査です。ぜひとも尿検査で腎臓の健康チェックを受けてください。
興味がある方は、「一般社団法人日本腎臓学会」ホームページに一般向け情報提供(下記「関連リンク」参照)がございます。ぜひともご覧ください。
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